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第115回   立証責任(挙証責任)

                                                       - 2018年4月27日

立証責任(挙証責任)

 「立証責任」とは、ある一定の事実関係を証明する責任のことです。裁判等においては、この責任を果たせない場合には、その人は負けるというのが原則です。「挙証責任」とも言います。
 立証責任の厳格さの程度は事件の種類によって異なります。例えば、刑事事件の場合、立証責任は検察官にありますが、極めて厳格な立証が必要です。日本の検察官は無罪判決を極端に嫌います。多少、証拠が乏しく、無罪判決の可能性が少しでもある場合は起訴すらしないことがあるのです。刑事事件の有罪・無罪の判断者は刑事裁判官であり、非常に厳しい証明(「絶対に間違いない。」程度)を検察官に求めているからです。
 これらに対し、民事事件(私人対私人の争い)の場合、訴えた側(原告)に立証責任はありますが、その「証明の程度」は刑事事件ほど厳格ではありません。「おそらく間違いないだろう。」程度の証明で足りると言われています。この程度の証明すらできていない場合、民事裁判官は「原告の請求を棄却する。」旨の判決を書くのです(もっとも、これは理想であり、現実にはいろんな裁判官がいるため、びっくりするような判決を書かれることも時々ありますが・・・)。
 これら裁判は、いずれも判断者が裁判官であるため、裁判官を念頭に置いた立証活動をしなければなりません。
 これに対し、国会の審議の場合、判断者は裁判官ではなく、国民です。立証責任は問題となりません。国民が「あやしい。」と思い、内閣を支持しなくなれば、追及する野党(一種の原告か)は勝訴したことになります。この場合、真に問われているのは、裁判官たる国民自身が判断者として的確に判断できているか、ということではないでしょうか。きちんとした証拠はないのに、「安倍総理があやしい・・・」というワイドショー的なマスコミ報道が垂れ流されると、それに流されてしまう。財務省の次官がセクハラ発言をしたと報道されると、「財務省はけしからん。」と、ワイドショーと一緒になり、一方的に次官が悪いと決めつけてしまう。もう少し距離を置いてマスコミ報道に接する必要があるのに、マスコミの論調に従順に同調してしまう。
 「衆愚政治」という言葉がありますが、国の政治のレベルは国民のレベルと比例しているようです。
 マスコミの電話による安倍内閣の支持率はかなり下がっているのに、企業経営者らによる安倍総理支持率は70%を超えているようです。どちらの支持率が正しいかという判断は控えさせていただきますが、判断者である国民自身の「判断する眼」が問われていると言えるでしょう。
 何年か経って振り返った時、「あの時の判断は間違っていた。」ということにならないようにしたいものです。








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