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第122回   カルロス・ゴーン会長逮捕

                                                       - 2018年11月30日
カルロス・ゴーン会長逮捕
 日産自動車のカルロス・ゴーン会長が有価証券報告書に自分の報酬を約50億円過小に記載したとして東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された事件は、日本のみならず世界中に波紋を広げました。ゴーン氏は、平成22年から26年度の5年間に、役員報酬約99億9800万円のところを約49億8700万円と過小に記載した有価証券報告書を提出した疑いで逮捕されました。これは単なる捜査の端緒に過ぎず、これから特別背任罪などのより重い犯罪で逮捕・拘留が繰り返されていくものと思われます。
 報道によると、ゴーン氏は役員報酬につき年間20億円だったところ、役員報酬の個別開示制度が始まってからは実際には10億円のみ受け取り、その旨有価証券報告書へ記載させ、差額の10億円については役員退任後に支払ってもらう旨の「覚書」を作成していたそうです。特捜部は、「20億円」が報酬であるから、「10億円」との記載は虚偽記載であると考えているようです。
 しかし、実際に受け取ったのは10億円のみです。残りの10億円はまだ受け取っていません。退任後に支払ってもらうという「債権」(請求権)にしか過ぎません。この単なる「債権」をもって「報酬」と考えるのは一般的でしょうか。ゴーン氏やケリー氏が、支払いが確定していないから、これを「報酬」の欄に記載せずとも「虚偽記載」ではないと主張するのも、あながち不当とは言えないような気もします。「覚書」の内容がどのようになっているかにもよりますが、明らかに「報酬」の後払いと分かるような内容であれば、ゴーン氏らの主張は通らないかも知れません。
 もう一つ問題があります。この書面の法的有効性の問題です。この書面はゴーン氏個人と法人(日産)の代表者としてのゴーン氏との間で作成されたとのことです。まさに利益相反行為であり、株主総会の承認を受けない限り、無効と思われます。仮に無効だとすれば、この無効な覚書に記載された報酬を記載しなかったことが果たして「虚偽」と言えるかどうかです。
 逮捕した以上、特捜部も引けません。マスコミに情報をリークし世論操作を行うのも、特捜部の危機感の裏返しなのかも知れません。特捜部はメンツにかけて起訴してきます。「嫌疑不十分により不起訴」はあり得ません。ゴーン氏にとって長い戦いの始まりです。仮に、裁判で無罪となっても、ゴーン氏が日本の経済界から抹殺されることは間違いないでしょう。
 今回の事件は日産1社だけでなく、フランスやルノーも大きく関係してきます。日産の株をルノーが43%持っているのに対し、日産はルノーの株を15%しか持っていません。事実上ルノーが日産を支配する状況にあったわけですが、このルノーの筆頭株主がフランス国です。フランスの大統領はルノーを通じて日産支配をより強くするようにゴーン氏に求めていましたが、それをさせてはならないとする日産の経営陣がクーデターを起こしたというのがもっぱらの見方です。こうなると単なる一企業の問題には留まらず、日本対フランスという国と国を巻き込んだ大きな問題と言わざるを得ないでしょう。
 今後、当分の間はこのゴーン氏の刑事処分を巡る報道が続くことだと思います。我々法曹関係者も固唾を呑んでその行方を注目している所です。








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