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第32回  訴訟詐欺

                                                       - 2011年3月4日

訴訟詐欺
 「訴訟詐欺」とは、何ら請求権のない者が裁判所に訴訟を提起し、虚偽の事実を申し向けたり、虚偽の証拠を提出したりして裁判所を欺いて判決を取得し、相手から金員を取ることです。
 訴訟詐欺が詐欺罪を構成するかどうか学説は分かれるものの、判例は概ね詐欺罪の成立を肯定しています(例えば、最高裁昭和45年3月26日判決など)。

 現在、大相撲は八百長問題で揺れています。2,3年前、週刊現代とジャーナリストの武田頼政氏が大相撲の八百長について特集したところ、日本相撲協会や朝青龍をはじめとする力士ら数名から逆に名誉毀損で訴えられ、最終的に週刊現代と武田氏が敗訴するということがありました。相撲協会側は、八百長などないにもかかわらず、あたかもこれがあるかのように装って週刊現代などは報道したので、それによって、大いなる名誉毀損を受け、損害を被ったというものです。私の記憶では、確か4〜5000万円を週刊現代と武田氏側から相撲協会側は取得し、さらに週刊現代に謝罪記事まで広告させる結果になったと思います。
 ところが、今般、元春日錦(竹縄親方)などが携帯電話で八百長の打合せをしていたことが明らかになり、大相撲に八百長があったことは動かしがたいこととなってきました。なんと、春日錦は自ら八百長していたにもかかわらず、八百長はないという訴訟に原告として加わり、賠償金を週刊現代側から手に入れているのです。少なくとも春日錦が訴訟詐欺に該当することは明らかです。それ以外に、相撲協会やその当時原告になっていた力士らが、自ら八百長していたにもかかわらず、八百長は無いなどと虚偽の事実を申し向け、裁判を起こし裁判所をだまして賠償金を取ったのであれば、このような、八百長をしていた力士達も全て訴訟詐欺ということになります。今後、週刊現代側の巻き返し訴訟が次々と起こっていくでしょう。
 このような訴訟詐欺には、我々弁護士は知らず知らずのうちに加担させられていることがあります。以前、ある交通事故の被害者から、追突事故を起こされて長期間入院したけれども保険会社が保険金を払ってくれないので裁判を起こして賠償金をとって欲しいという依頼を受けたことがあります。何となく胡散臭い感じのする御仁だったので、相手方保険会社に電話し、「どうして保険金を支払わないのか。」と確認したところ、「実はその人は保険金詐欺の疑いがあるのです。」との返事でした。確かに相談に来たとき、1社だけでなく、何種類かの保険に入っていたものの、その大半から支払い拒否の通知をもらっていました。そこで、その事件を受けることはお断りしましたが、その数日後、その相談者とその相談者に追突したというグループ数名が、交通事故を装った保険金詐欺の共犯ということで逮捕されました。危うく、裁判所を使った保険金詐欺(訴訟詐欺)の片棒を担がせられるところでした。

 相撲協会の場合、協会の顧問弁護士が週刊現代からそのプライベートな部分まで暴かれたりしており、顧問弁護士も週間現代に対する恨みもあったようです。ただ、協会の顧問弁護士が八百長があったことについての認識を持っていたかどうかは明らかではありません。しかし、日本の国民の中で八百長がないと信じていた人は果たしてどれだけいるでしょうか。大半の人間が相撲には八百長があるということを認識していたのではないでしょうか。だとすると、相撲には八百長があるということを認識しながら訴訟を行ったということが立証できれば、この顧問弁護士も訴訟詐欺の共犯ということになるような気がします。もっとも、知っていたかどうかという個人の心の内を暴くことは不可能ですので、現実問題として八百長があったことを知っていたという判断はされないと思いますが・・・。
 このように我々弁護士は、知らず知らずのうちに訴訟詐欺に加担させられる危険性があるので、何となく怪しい匂いのする事件は十分用心してかからなければ弁護士バッジを飛ばしてしまうことになりかねません。


 ≪第31回 軍事力なき外交交渉 第33回 東日本大震災≫ 


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